紫檀（したん）・ブラジリアンローズウッドを代表するマメ科（シタン属：Dalbergia（ダルベルギア））は、世界のマメ科約700種の中の1つの属で、そのほとんどは、熱帯・亜熱帯の森に広く分布しています。更にダルベルギア属だけを絞り込むと、近似種も含めて15～20種と言われています。ローズウッドの呼び名は、（英）ローズウッド・パリサンダー、（独）ローゼンホルグ、（仏）パリサンドル、（中）黄檀と呼ばれています。ローズウッドの特長である”バラの香り”だけを取り上げると、香りの強弱、芳香程度も含めると20～35種にもなります。
No.1～11は、ローズウッドと正式に呼ばれている材です。★星印は、ステッキとして利用可能な材を示します。
本ページの情報は、2023年5月5日に改定しています。
目次
アジア圏のローズウッド
★No.1：紫檀（したん）（ダルベルギア・コチンキネンシス）、縞紫檀（しましたん）（ダルベルギア・オリペリ）
紫檀（したん）（ダルベルギア・コチンキネンシス）の別名、産地。
- 別名：シアム・ローズ、サイアミ・ローズ
- 産地：タイ・ビルマ・ラオス・ベトナム・カンボジア・マレー半島
縞紫檀（しましたん）（ダルベルギア・オリペリ）の別名、英名、中国名、産地。
- 別名：手違い紫檀、チンチャン
- 英名：ビルマ・ビルメス、チューリップ・ツリー
- 中国名：白紫檀
- 産地：タイ・ビルマ・ラオス・ベトナム・カンボジア・マレー半島
産地によりベトナム・ローズ、ラオス・ローズ等、呼び名があります。
関連記事：手違い紫檀（チンチャン・縞紫檀（しましたん））について
★No.2：インド・ローズウッド（ダルベルギア・ラテフォーリア）、インドネシア・ローズ（ソノケリン）
- 別名：イースト・インディアンローズ、ボンベイ・ローズ、デガン・ローズ、カシミール・ローズ
- 中国名：印度丸葉紫檀
- 産地：インド・パキスタン・バングラディッシュ
★No.3：インド・チッソ―（ダルベルギア・チッソ―）
- 英名：シーシャム・ローズ
- 中国名：印度黄檀、茶檀
- 産地：インド北部、ネパール、パキスタン、バングラディッシュ
アジア圏・ローズウッドと呼ばれる他の材種
★レンガス
- 別名：ボルネオ・ローズ
- 産地：ボルネオ、パプアニューギニア
★花梨系材
- 別名：アンダマン・ローズ、ニューギニア・ローズ
- 産地：アンダマン諸島、ニューギニア
★ブラックウッド（ダルベルギア・クルテロター）
- 別名：ブラック・ローズ
- 産地：ビルマ等
★紅木（こうき）
- 別名：サルタン・ローズ
- 産地：インド
アフリカ圏
★No.4：マダガスカル・ローズ（ダルベルギア・バロニー）
- 英名：ロイヤル・パリサンダー、ボアナ・パリサンダー
- 仏名：ロワイヤル・パリサンドル
- 産地：マダガスカル
★No.5：アフリカン・ブラックウッド（ダルベルギア・メラノキシロソ）
- 別名：ブラック・ローズ、グラナディラ、パパナス、ムピンゴ、アフリカ黒檀
- 産地：セネガル、ケニア、スーダン、ナミビア、ザンビア等
アフリカ圏・ローズウッドと呼ばれる他の材種
ブビンガ
- 別名：アフリカン・ローズ
- 産地：西アフリカ諸国
関連記事：ブビンガ（アフリカ・ローズ、アフリカン・スターローズ）について
★パオローズ・パオロサ
- 別名：ローゼン・パリサンダー
- 産地：中央・東南アフリカ諸国
★ピンク・アイボリー
- 別名：ピンク・ローズ
- 産地：南アフリカ諸国
中米圏
中米諸国とは、メキシコ、ガテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、コロンビアの8ヶ国を示します。
★No.6：ココボロ（ダルベルギア・レトウーサ）
- 別名：ココボロ・ローズ
- 産地：中米諸国
★No.7：ホンジュラス・ローズウッド（ダルベルギア・ステヴェンソニー）
- 産地：ホンジュラス、中米、南米北部
中米圏・ローズウッドと呼ばれる他の材種
★ボコーテ
- 別名：リオグランデ・パリサンダー
- 産地：中米諸国
★グラナディロ
- 別名：メキシカン・ローズ
- 産地：中米諸国
★カマティロ・カマテージョ
- 別名：ボアド・ローズ、メキシカン・キングウッド
- 産地：メキシコ南部
★チェチェン
- 別名：：カリビアン・ローズ、ポイズンウッド
- 産地：中米諸国
中米8ヶ国の材は産出国により、ユタカン・ローズ、メキシカン・ローズ、カリビアン・ローズ、ニカラグア・ローズ、パナマ・ローズ、マヤ・ローズといくつも重なったローズウッドの呼び名があります。
南米産
ローズウッドは、現地語・スペイン語・ポルトガル語など、様々な呼び名の材名が有り、ブラジリアン・ローズも含めて、近似種が2～3種有ると言います。これらの材種も含めて整理されていない材種も多く有ると聞きます。
★No.8：ブラジリアンローズ（ダルベルギア・ニグラ）
- 別名：バイア・ローズ、リオ・ローズ、ジャガランダ、パウフエロ、カビウナ
- 和名：ブラジル紫檀
- 産地：ブラジル
関連記事：ブラジリアン・ローズウッド（ジャカ・ランダ）について
★No.9：チューリップウッド（ダルベルギア・フルテッセンス）
- 英名：ピンクウッド、ブラジル・ローズ
- 産地：ブラジル
関連記事：チューリップウッド（ブラジリアン・チューリップウッド）について
★No.10：キングウッド（ダルベルギア・ケアレンシス）
- 別名：キングウッド・ローズ、ブラジル・ローズ
- 産地：ブラジル
★No.11：アマゾンローズ（ダルベルギア・スプルーセアーナ）
- 和名：南米紫檀
- 現地名：ジャガランダ
- 産地：ブラジル
南米産・ローズウッドと呼ばれる他の材種
モラド
- 別名：サントス・ローズ、ボリビア・ローズ、ティエテ・ローズ
- 産地：ブラジル・ボリビア・コロンビア（南米北中部）
パタゴニア・ローズ
- 別名：ラテン・ローズ、ティエテ・ローズ
- 産地：アルゼンチン・チリ
ブラジリアンローズが1973年のワシントン条約（絶滅危惧種保護法）が批准され、一覧表に記載されている他の各種材も規制対象樹木となっています。ローズウッド類は、世界的需要の高まりが有る中、現在代替品への移行の道と材を育てる方向と板挟み状況で問題点を早く検討しなければならない時期が来ています。
※注：ビルマ＝現在のミャンマー
ローズウッドのご紹介は以上です。続いて木族の会（樹種辞典）をご紹介いたします。
木族の会（樹種辞典）
ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。
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