キングウッド

キングウッド

南米ブラジル北東部セアラ・ペルナンブコの灌木(かんぼく)林地帯にまばらに育成する材で、とりわけバイア州にも多く育成しているといいます。樹高5~10メートル、白太片材を含む直系15センチメートル~25センチメートル程です。森林部に生育している材はもう少し大きく、40センチメートル内外です。ブラジルでは、現地で白太を取り除いて、長さ2メートルに切り揃えた物が輸出されます。出荷量も少ない材の一つです。

キングウッドについて

名前の由来

ブラジリアン・キングウッド・バイオレットキングとも称されるのは、大航海時代16世紀~イギリスではジョージ王朝、フランスではルイ王朝時代(16世紀~17世紀)紫色の寄木彫刻材の美しさに魅了された王侯貴族が、こぞって家具材を求めた事に起因し、キングの名称が冠されたと言われています。

ステッキ

原木を二つ割りにした状態

写真①:原木を二つ割りにした状態

輸入された原木の多くは、写真①のように木の中心部に何かしらの空洞があったり、芯腐りが生じている材がなぜか多いです。製材時、巾5センチメートル~15センチメートル程の板・柾材しか取れません。

大曲りステッキは、長さ1メートル50センチメートル×30ミリメートル角の直材が必要です。長さ的に2メートルの丸太では、小口割れの部分を引くと、適寸法には届きません。

乾燥には最低5~6年は要します。また小径木がゆえに、平割り状態でも反りが生じる特性上、昔から細かい物に使われる事が理解できます(用途は、ナイフ、ブラシの柄、象嵌材(寄木家具用))。輸入までブラジルの気候、積まれる船で赤道を越えるまでには、既に丸太に干割れが多く生じています。これはスネークウッドにも同じ事がいえます。

キングウッドステッキの写真②③のように、虹色に鮮やかな紫のピンストライプの美しい杢目肌です。淡い紫色をまとった貴婦人といったところでしょう。この材は、近々ワシントン条約により線引きされ、日本への輸入は難しくなると思われます。

キングウッドステッキ

写真②:キングウッドステッキ

キングウッドステッキ

写真③:キングウッドステッキ

製品(楽器類)としての輸入はあっても、原木の輸入は望めません。また、欠点が多い材なので、製作意欲を持った職人さんが(月・日・金の事もあり)育たない事がわかります。良材を得るには、価格が高い仕入れになり、それなりの資金(在庫が寝る)が必要になります。

ステッキに関して、他店のショップでキングウッドの大曲りを見た事がありません。

キングウッドのご紹介は以上です。続いて栗(くり)・チェスナットをご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

木族の会(樹種辞典)