パオ・ローサ(パオローズ)は、マメ科(ジャケイバラ科)の樹物で、ガボン(オケディナ)、象牙海岸(ボト)、コンゴ(キエラクス)と現地で呼ばれています。ヨーロッパドイツでは、”ローゼン・パリサンダー”と古くからの呼び名があります(かつてアフリカに植民地を持っていた為)。パオ・ローサとは、この地域から産出するいろいろな樹木の中で、マメ科の赤い材・赤い木という現地名です。

パオ・ローサ(パオローズ)について

樹高は、30メートル直径90センチに達する大径木もかつては見られましたが、現在は60センチ~70センチが主流の中高木です。産出する地域が広範囲に渡りますが、蓄積量は少ないと言われていて、欧米ではアジアの紫檀の代替品として利用されてきました。

産地

産地は、西アフリカが主で、象牙海岸、カメルーン、コンゴの地域では、パーローズと呼びます。東アフリカ(カザイール、マダガスカル、モザンビーク)に分布する亜種が少量産出され、こちらはパオ・ロサと呼ばれています。いずれもどちらかが亜種と考えられていましたが、現在では同種とされています。

特長

色は明るい濃褐色、赤褐色の中に黒紫色の筋が細かく入り、美しい縞模様を描いていて、中にはリップルマーク波状の縞模様が有る材も多いです。油脂分も多く、赤色が鮮やかに見えます。

パオ・ローサ材の美しい杢目の特長が出ている材

パオ・ローサ材の美しい杢目の特長が出ている材

拡大して見て下さい。パオ・ローサ材の美しい杢目の特長が出ている材です。

ステッキとしてのパオローズ

重量も有り、色彩も赤手で、欧米では早くから植民地材のローズウッドとして活用されてきました(特に赤手の紫檀の代用品として)。難点としては、若木は特に乾燥まで時間がかかり、”割れ”や”反り”が起こる傾向にあります。強度的には近種のローズウッドと比べ、圧縮・曲げ加工が難しい材の一つです。

その為、セパレートタイプのステッキ作品が多いとされています。現在塗装技術が向上して来ているため、紫檀赤手と見間違う作品もあります。

ステッキ用に木取りされた材・オランダ水牛のハンドルとのコンビ、セパレート型のステッキ

ステッキ用に木取りされた材・オランダ水牛のハンドルとのコンビ、セパレート型のステッキ

写真はステッキ用に木取りされた材・オランダ水牛のハンドルとのコンビ、セパレート型のステッキです。写真を拡大して見て下さい。交錯し波状を成すリップルマークもあります。現在パオローズの大曲り中曲りステッキを製作中です。

アフリカ材は、昭和29年から日本に輸入され、昭和41年、42年には14万㎥。ピークの昭和54年には、15万㎥を総量として輸入され、パオローズは、昭和46年に750㎥を数えます。日本では、欧米と違い輸入されたパオローズは、床柱、床ノ間材始め、花器壺に至るまで、利用製作された時代がありました。現在はほとんどと言うくらいごく少量の輸入のみとなりました。

パオローズの日本へ陸揚げされた原木

パオローズの日本へ陸揚げされた原木

パオローズの日本へ陸揚げされた原木。珍しい写真です。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

木族の会(樹種辞典)