メキシカンローズウッド(グラナディロ)

メキシカンローズウッド(グラナディロ)

ダルベルギア属(ツルサイチカ)種は、世界に約150種あります。その内、用材としてステッキに使えるのは、約20種を数えます。20種の多くは、一般にローズウッドと総称されます。その中で美しい肌目、装飾性のある材を特に選べば、皆さんも知っている東南アジア圏では”紫檀(したん)”、中南米圏では”ブリジアン・ローズウッド”です。

メキシカンローズウッド(グラナディロ)について

日本への輸入

このグランディロは、あまり聞きなれない材種名ですが、立派なローズウッドの仲間で、既に欧米では、ローズウッドとして広く知られています。

日本に紹介されたのは、最近の事で平成に入った前後、ボコーテシャム柿等、中南米材の輸入材に誤って入荷されたのが始まりと言われています。

材が良好だった為、四国のメーカーが早くより材面に着色して床柱、床廻り品に、南米紫檀として売り出しました。この事もシャム柿の例と同じ過ちを犯します。

最初はよかったのですが、経過中輸入量が減り、業者の売れ筋の価格判断が狂い、材は後悔することとなります。

渋い茶褐色の肌に、黒色の縞が織り成す良材の杢目を有する材です。当初、紫檀(したん)の代用品として比較的高値で取引されていましたが、杢の出ない(中小径木)が多く入る時点で、値が下がり始めた事です。

この材は、もともと備蓄量が少なく、日本にはサンプル程度の輸入で、本格的にこの材主体の輸入例がありません。銘木業界が勝ってに踊らされたに過ぎなかった訳です。

この材をもう少し掘り下げます。

樹種の分類

メキシコを中心に中南米(グアテマラ、サルバトル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ)分布は、7ヵ国に及びます。この中にコスタリカのローズウッドココボロの名があります。同じ材、切削時わずかながら、バラの芳香があり同属ですが、ココボロと似ている別材といえます。

この7ヵ国にコロンビアを加えて、未だに樹種の分類が動植物学上も新発見があるくらいで、実は不正確で十分ではありません。

欧米では既にこの属の材をローズウッドとして商業名が冠されています。この理由から、あえてグランディロの名誉の為、ラカッポではメキシカン・ローズウッドと別けて表記しました。

ステッキ

板目に少し杢目がある程度(材の径寸が細い為)の物は、数多く見てきましたが、ここに登場する杢目は見た事がありません。小豆杢(あずきもく)・花梨紫檀(したん)インドローズブビンガホンジュラスローズの6例目です。

15cm巾いっぱいに黒小豆杢が現れている原材料

15cm巾いっぱいに黒小豆杢が現れている原材料

メキシカンローズウッド、黒小豆杢拡大写真

メキシカンローズウッド、黒小豆杢拡大写真

ココボロとメキシカンローズウッド

①はココボロ材、②はメキシカン・ローズウッド

この材は、メキシカン・ローズウッド、ココボロと同例するぐらいの良材で、ステッキとしては3-Aではありませんが、A分類に入り、杢目(黒小豆杢)を有するステッキは3(スリー)Aです。

メキシカンローズの大曲り品

メキシカンローズの大曲り品(①は木地仕上り品、②は拭き漆仕上り品)

グランディロと呼ばず、メキシカン・ローズと皆さんも呼んでください。

メキシカンローズウッドのご紹介は以上です。続いて紅葉(もみじ)をご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

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