東洋のローズウッド材、縞紫檀(しましたん)のステッキ材とステッキ大曲り品

写真①:東洋のローズウッド材、縞紫檀(しましたん)のステッキ材とステッキ大曲り品

手違い紫檀は、ダルベルギアオリヴエリ属のマメ科です。呼び名はタイではチンチャン、ビルマ(ミャンマー)ではタマラン、ラオスではカンビ、日本では縞紫檀(しましたん)と古くから呼ばれています。樹高は15m・直径50cm~60cmがほとんどで、樹高25m・径1mに達した材も出材された記録があります。分布は、タイ中部・北部・ミャンマー・バコー山地系・ラオス・ベトナムにも少し分布しています。

手違い紫檀・チンチャン・縞紫檀(しましたん)について

タイの主要産地では、花梨、チーク材の主要産地と重なり、その中に竹林中にまばらに分布すると言われています。縞紫檀の中には、近似種が何種類かある事がわかっていて、ベトナム(カムライム)・ミャンマー(ネアン・ヌオン)とも呼ばれ、日本では、安南(ベトナム)縞紫檀とも古くからの呼び名があります。

日本への入荷状況

チンチャンは、戦前では200㎥前後だった物が、上記のチーク混成林の中にあった材が、1970年5,500㎥をピークに、チークと共に輸入量(チーク材別量)が増したと言われます。チンチャンは、1985年の242㎥を最後に、日本には入荷がありません。同材の利用は、紫檀に準じ、また代替品としての日陰材として役割が多かった訳です。

本紫檀の材は、以下3種類に区分されます。

  • ①新渡り材(朱赤色で紫色無し)
  • ②中渡り材(材は羊羹(ようかん)色で黒に赤味を帯びている)
  • ③古渡り材(紫赤色で朱黒色を呈して紫の縞がある)

江戸時代の唐木商からの意見を取り入れ、明治45年に出版された木材ノ工芸的利用・大日本山林会出版中において、縞紫檀との違いも書かれています。しかし、本紫檀の中には、中国国境より、陸路で運ばれた材も多く、日本に辿り(たどり)着いた材の中にも、縞紫檀も多く含まれていたと強く推測できます。

また、先に述べられている本紫檀の新・中・古の区分すら、中国の種別を参考に長い経験と勘に重きを置き、それが商習慣とされています。篠田レポート(インドローズウッドのページに篠田銘木商報の例があります)でも、戦後(昭和40年頃)から、手違い紫檀(チンチャン)の名が出始めます。材は良材なのに、あまりにも紫檀を本命に置き、縞紫檀を改めて評価せずに代替品として今日まで来た事が残念です。

縞紫檀(チンチャン)の原木(1970年代にタイの工場 於)

写真②:縞紫檀(チンチャン)の原木(1970年代にタイの工場 於)

縞紫檀(チンチャン)の原木(1970年代にタイの工場 於)

写真③:縞紫檀(チンチャン)の原木(1970年代にタイの工場 於)

写真②③は、1970年代にタイの工場に於て撮影した縞紫檀(チンチャン)の原木です。見事な深い紫色と淡い桃色のマーブル状の丸太です。一瞬、ハカランダかと思う縞紫檀丸太です。

ステッキとしての縞紫檀(チンチャン)

美しい縞紫檀(チンチャン)杢目

写真④:美しい縞紫檀(チンチャン)杢目

美しい縞紫檀(チンチャン)杢目

写真⑤:美しい縞紫檀(チンチャン)杢目

挽いた材面の杢も、茶褐色の中に黒の縞目が有り、茶系のブリジアンローズと良く酷似してます。この面が深い紫色があれば、インドローズ材かブリジアンローズに似ている色彩があります。本紫檀と違い色彩の劣化が少なく、酸化が進まず、このまま近い色で残ります。ステッキ材としてAクラスと考えます(写真をどうぞ拡大してご覧ください)。

よくある質問と回答

Q:縞紫檀(チンチャン)のエピソードはありますか?

A:名前の事で業界体質の悪い部分が出てしまったケースです。本来この材は良材、場合によっては紫檀より勝る材でもあり、仕入れ時、仕入れ時この材は、本紫檀より安価に仕入れ、売る時には紫檀並みに売った歴史があり、業界は猛省しなければなりません。まして、材を手違い紫檀など差別用語か、ご落胤(らくいん)のような名前を付け、まるで本紫檀の紛い(まがい)物として売っていた事実があります。現在本紫檀もチンチャンも日本に輸入されていません。今後も望めません。本来本紫檀よりも分布備蓄量が、チンチャンは少ない材なので、本当に惜しい事をしました。東洋のローズウッド材と呼ぶにふさわしい魅力があります。

手違い紫檀(チンチャン・縞紫檀)のご紹介は以上です。続いて栂(つが・とが)をご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

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