この材の名前は、”桃色の象牙肌”が語源で、語源の由来はピンク色をした色彩と緻密な材面を持っているからです。樹高5m~10m、直径は30cm内外の温帯ステップ帯に自生する灌木(かんぼく)です。ベルキミア属ラムナセエ科・クロウメモドキ科の植物分類で、ベルキミアは、オランダの植物学者(発見者)の名に由来します。クロウメモドキ科に属する木は、日本ではケンポナシ・ナツメがあります。

ピンク・アイボリーについて

ピンク・アイボリー

ピンク・アイボリー

この材は南アフリカ共和国の原産ですが、かつてはステップ帯に広く分布していました。しかし現在は、東南部の山々にも生育していません。この国自体、日本の国土の3.2倍あるにも関わらず、森林面積はたったの30%で、植林も試みたのですが、現在の人工林はたったの1.2%しか存在しません。大きな河川は、オレンジ川を中心に10河川を数へますが、年間降雨量が少なく、植林地への水の補給すら足らない状況です。

ステッキとしてのピンクアイボリー材

ゼブラウッドやこのピンクアイボリー材も短冊に切って菓子皿に盛り付けると正にスイーツ菓子にしか見えません。ピンク色の美しい色彩、日本には少量しか入荷は無く、在庫分に頼るしかありません。まだ大曲り品製作はしていませんが、セパレートタイプも含めて異色のステッキです。

よくある質問と回答

Q:なぜ国土からステップの灌木(かんぼく)が消えたのでしょうか?

A:この地に白人が来たのは16世紀の中頃で、アジア航路の中継地(ケープタウン・喜望峰)として発展した経緯(けいい)があり、イギリスの植民地になったのは19世紀です。この200年の間、ボーア人・ズール族等の戦争が有り、オランダ・ドイツ・フランスとヨーロッパ諸国の移民が、森林の恵みより、牛・羊の牧場作りに精を出し、奥地奥地へと移住した為、多くの森林が伐採されたと言います。

失われたのは森だけではありません。”ケープ・ライオン”と言われた大型種も1865年には、絶滅に追い込まれました。更に18世紀にダイヤモンド・金・プラチナの鉱脈が見つかり、移民の増加に加速を掛けました。

いろいろな色彩を放つピンクアイボリー材

写真①:いろいろな色彩を放つピンクアイボリー材

ピンクアイボリー

写真②

ピンクアイボリー

写真③

もともと小径木の灌木材なので、乾燥までに捻れ・反り・割れ等が多く発生します。乾燥には時間を要する材の1つです。又、材面は鮮かなピンク色とは限りません。写真の様に、クリーム色から沈んだ黄褐色の材まで有り、加えて特有のチヂミ杢の有る物の有無が価格に左右されます。ステッキとなると長さも必要で、大曲り品は高額な物となります。

Q:ピンクアイボリー材の今後はどうなるのでしょうか?

A:南アフリカ北部に隣接する国、ボツアナ・ナミビア・ジンバブエなどの森林から出荷される他種の原木に混ざってピンクアイボリー材が出荷されるそうです。これらの国々は、政治不安や人工増加問題を抱えている発展途上国でもあり、焼畑農業が過剰に進んでいて急激に森が失われています。ここに来て水源の重大さに気付き始め、森林保護政策に動き始めたと言います。

Q:ピンクアイボリー材に将来はあるのでしょうか?

A:この材はもともと備蓄量が少なく、恐らく違法伐採材として入荷していると予想します。世界のツキ板・家具・木材流通に古くから乗らなかったのは、ある意味幸いと考えた方が良いかもしれません。高価で貴重な美しい材面を持った材ですが、この大きな矛盾を抱えた材でもあります。

南アフリカでは、この材の植林事業が始まったと言う知らせがあります。

ピンク・アイボリーのご紹介は以上です。続いてブビンガをご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

木族の会(樹種辞典)

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ラカッポは、おしゃれなステッキ製作を手がけ国内外のお客様からご好評を得ている東京新木場のステッキ専門店です。(有)東京数寄屋倶楽部によってプロデュースされています。ステッキのあらゆるオリジナルデザイン、意匠(銀細工・象牙彫刻・宝飾)に到るまでオーダーメイドによる製作を承ります。アンティークステッキ、思い出のステッキの手直しについても修理を承っております。

会社概要

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コンセプト

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