シャム柿

シャム柿

シャム柿は、メキシコではジリコテと呼ばれています。メキシコ中部以南ホンジュラス・コスタリカ・ペルー・ボリビア・ブラジル・西インド諸島(キューバ、ドミニカ)まで中南米を中心に広く分布している材で、成長が早い為、現在フロリダにも植林されているそうです。

シャム柿について

シャム柿と黒柿の杢目比較

この材は、特にメキシコからの輸入が多く、日本には昭和50年代前には入っていて、東京、四国のメーカーが床柱として売り出していました。柿のマメ科でないこの材、ムラサキ科の材が何故シャム柿として一般名で通っているかといえば、材の杢目が日本の黒柿の杢目によく似ているからです。杢目が面白いので、欧米では家具を始め、各ツキ板、指物や装飾用の彫刻材、楽器に使用されています。

シャム柿と黒柿の杢目比較

シャム柿と黒柿の杢目比較

シャム柿と黒柿の杢目比較

シャム柿と黒柿の杢目比較

  • ①はステッキに仕上げたコルディアの杢目
  • ②はステッキに仕上げた黒柿(日本産)の杢目

よく似ています。

シャム柿の名の由来

ではなぜシャム(タイ王国の旧名)柿と呼ばれるかといえば以下の2点が起因しています。

  1. 木材輸入業者が、産地を明かす事を拒んだ為。
  2. 業者が本当の産地に集中して儲けられなくなる事を恐れた。

シャムと名を付けられ、とばっちりを受けたのは、材コルディアです。これに似た木材のケースは、レッドウッドの巨木の材を春日杉と呼んだり、チリ杉(アレルセ)を屋久杉と称したり、業界が売上げ右肩上がりのバブル期、儲けに走り間違った方向へ行き過ぎた結果です。銘木業界も猛省しなければなりません。

ステッキとしてのシャム柿コルディア

ラカッポでは、シャム柿の事を”コルディア”と呼んでいます。ステッキとしては、重厚さを有し杢目もすばらしく、スリーAでは無い物のAランクで通用する材です。頭から”柿の字”を抜いて、改めて材を見ると、ローズウッドのもし二次分類があれば、ローズウッドの仲間として充分通じる材です。

ただし製材上欠点もあります。良材には間違いないのですが、杢目が沈みはっきりしない事です。輸入時に白太片材が虫害等があり、白黒の杢目のバランスの取れた材がなかなか得られない点もあります。ステッキには暗緑色の中にコーヒー色の濃い色の縞目を持った材が良いとされていて、他の業者では、一度漂白してから塗装をします。ラカッポでは、漂白を避けて、あくまで杢目重視で製作します。

シャム柿の杢目

写真①:シャム柿の杢目

シャム柿の杢目

写真②:シャム柿の杢目

シャム柿の杢目

写真③シャム柿の杢目

  • ラカッポでは、写真①くらいの杢目がある材をステッキの材料にします。
  • 写真②は、白太がうまくステッキを作る上でバランス良くある物。
  • 写真③は、材のコバ製作上巾3センチメートル角に杢がのっている物。

写真①②③の様な材は、なかなか取れません。黒柿と比較しても安価ですが、メキシコからの輸入は先細りで、この材も近いうちに貴重材に必ずなると思います。

返す返すも、シャム柿と何で名付けたか、悔いが残る材です。

シャム柿のご紹介は以上です。続いて白柿(しろがき)と真黒柿(まぐろがき)をご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

木族の会(樹種辞典)