乗馬に必要な鞭(ムチ)から発展したステッキ(上品なL型・バトンステッキ)のご紹介です。
乗馬に必要な鞭(ムチ)から発展したステッキ(上品なL型・バトンステッキ)
写真①は、18c頃の御婦人の乗馬スタイルです。必ず馬の進行方向の左に腰掛けるのが、女性としてのエレガントさとつつましさとが相俟って、このスタイルが定着します。写真①②を拡大して見て下さい。上品なステッキ型のムチ(短鞭:たんべん)を持つ乗馬姿です。
18c~19c時代の移りで、乗馬ズボンの普及と共に、女性も男性と同じ様に、騎乗式(馬にまたがる)に変化していきました。写真③は、19cのファッション雑誌のポスター場面です。手にしているムチは、L字型の物で、現代の大黒型タイプも既にあります。L字型は乗馬中手元から落下防止(ストラップが付いた物)や、鞍(くら)に革のループがあり、差し込み出来るよう工夫された鞍(くら)もありました。
この時代の馬は、特に女性が乗るので、気性がおとなしい馬に訓練され、横座りの足を馬の腹に軽く蹴るだけで前進します。この頃の鞭(ムチ)は、一角獣で作られた物や銀飾りは言うに及ばず、限りなく意匠に凝った作品を多く見る事が出来ます。
馬具製作の技術に応用した精密なステッキコレクション
人と馬との一体感、道具類も一幅の絵画の内と考えられていました。フランスで馬具メーカーからファッション界へと転換したエルメスはあまりにも有名です。事実、馬具製作の技術に応用した精密なステッキコレクションも所有しています。すべて圧巻の作品揃いです。
このように乗馬の短鞭(たんべん)のデザインから、婦人が持つキュートで細身のステッキが流行したと言います。このL字型のハンドルは、元々馬の厩舎の壁や、一時的に柵(さく)越しに引っ掛けるのに便利で、ステッキに変化した時、テーブルの端にもバランス良く掛けられる様に角度が付けられています。又、ムチに付いている手首掛けのストラップがステッキに付けられたストラップの原型とも言われています。
ラカッポが追求した女性好みのステッキ
ラカッポでは、復古調として、このL字型や大黒型のハンドルを用いたキュートな細さ、軽快さを追求した女性好みのステッキを御造りします。
写真⑥のステッキバトン型を左からご説明すると以下の通りとなります。
- ①戦前の日本の京清水焼の大黒型(握り玉)。シャフトはコルディア(シャム柿)の上杢品。石突はオランダ水牛。
- ②オランダTの字バタフライ(ハンドル)。シャフトは黒檀(セレベス)。石突は黒ゴム。
- ③アンティーク品L字型(コンチネンタル・シルバー800)。シャフトはマラッカ籐。石突はシルバー。
- ④L字型ハンドル(リオグランデ・パリサンダー)。シャフトはインドローズウッド。石突はオランダ水牛。
- ⑤新作本銀(925)L字型ハンドル石突共ブドウ柄(204g)。シャフトはスネークウッド。
上記は仮組です。シャフトは、色々な樹種に変更できます。近々ステッキ通販で販売予定です。気になる方は、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
この馬の時代から自動車が出始めた18cの終わり、19cの初頭を舞台にした1本の映画があります。1958年製作カラー作品・アメリカ映画。パリを舞台にコミカルさも有る題名、恋の手ほどき・ジ・ジです。登場する役者すべてステッキを上手に扱っています。映像と音の友社、御参考まで。
ステッキ専門店【ラカッポ】について
ラカッポは、おしゃれなステッキ製作を手がけ国内外のお客様からご好評を得ている東京新木場のステッキ専門店です。株式会社山安によってプロデュースされています。ステッキのあらゆるオリジナルデザイン、意匠(銀細工・象牙彫刻・宝飾)に到るまでオーダーメイドによる製作を承ります。アンティークステッキ、思い出のステッキの手直しについても修理を承っております。
お問合せ・ご来店予約
ステッキ専門店ラカッポは、お客様のご要望をお伺いさせていただきながらフルオーダーメイドでステッキを製作、販売させていただいております。ご来店の際は、事前にご来店予約をお願いいたします。また、ご不明な点などございましたらお気軽にお問合せくださいませ。みなさまのご利用、お待ちしておます。