金色に輝く御蔵の金桑(将棋・駒箱)

金色に輝く御蔵の金桑(将棋・駒箱)

御蔵桑(みくらぐわ)は、桑材の最高峰です。東京都に属する島嶼(とうしょ)の一つ御蔵島。昔は伊豆七島と呼ばれました。東京から近い順に整理すると、以下の通りとなります。

9島
大島、利島(としま)、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島
7島
大島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島

伊豆半島下田近く松崎、千葉房総半島、洲崎、館山を含む9島すべてにおいて、植物学上ハチジョウ、シマグワ型と呼ばれる在来種です。

この地域帯は、黒潮が流れ一年を通じて温暖な気候に恵まれていて、歴史的に豊かな自然が多く残りました。この事が、この桑を有名にした源です。

9島全て火山島で、最近の火山活動や集中豪雨等、この地域全体の各島の開発速度によって、多くの島から桑の木が減少している中、唯一森が深く、山の傾斜角度が強い御蔵島だけが、少なくなったとはいえ、面目を保っています。かつてこの九島からは、柘植材と桑材の産出が江戸時代より続いていました。

御蔵桑(みくらぐわ)について

桑の出材の減少に伴い、現在、御蔵桑を特に島桑と呼び、その材質の色彩から金桑(きんぐわ)とも呼ばれています。

御蔵桑の作品、芭蕉型大皿、小皿、茶杓、ペーパーナイフ

御蔵桑の作品、芭蕉型大皿、小皿、茶杓、ペーパーナイフ

御蔵桑は、現在人の手が入らない所に生えているので、木の年輪が積み材の緻密さ、切削時の黄土色の中に淡いモスグリーンの色彩が有り、経年変化後は、奥深い金色の色彩になります。

写真からも判断できると思いますが、他の桑とは異質です。向かって左側の二丁は、本土山桑との交雑種(ハイブリッド)です。向かって右側、特に三角材は玉杢、タクリ杢の最高品です。

御蔵桑(左側の二丁:本土山桑との交雑種(ハイブリッド)、右側:三角材は玉杢、タクリ杢の最高品)

御蔵桑(左側の二丁:本土山桑との交雑種(ハイブリッド)、右側:三角材は玉杢、タクリ杢の最高品)

ステッキ

ステッキを例に取りますと、1メートル50センチのピンとした直材が必要です。今日では、直材を得られる材がゼロに等しく、曲げの難度より、材そのものの用立仕入が一番難しい材で正に貴重材といえます。

島桑玉杢を用いたステッキ

島桑玉杢を用いたステッキ

島桑玉杢を用いたT字型鹿角(かづの)ステッキの詳細については、以下のページでご紹介しています。

T字型鹿角ステッキを確認

金桑

昭和28年に戦後復興の名の元に、自桑がかなりの量入荷した記録があります。昭和58年、61年にわずかながら小中径木が東京の銘木市場に入荷しました。最大級の材は、巾70センチクラスが取れる材ながら、非売品(新宿新都庁の知事室に置かれるテーブル用)でした。それ以降、入荷はほとんどありません。

当時高値で落札した金桑です。巾60センチクラスで、肌にタクリ杢、玉杢が走っています。写真は当社旧江戸川工場にて撮影したものです。

当社旧江戸川工場にて撮影した金桑

当社旧江戸川工場にて撮影した金桑

使用例

島桑はいろいろな所に使われます。写真は、厨子、タナゴビク箱の例です。

厨子

厨子

タナゴビク箱

タナゴビク箱

現在、御蔵桑は環状道路も完成し、民宿軒数も増え、イルカウォッチングなど観光に力を入れています。歴史的に柘(ツゲ)、島桑の出材産業として、島を潤してきた経済は、今や昔となりました。小さな(直径5キロメートル)島なので、今後、島桑の出材は望めない状況といえます。

桑(くわ)の関連情報

桑(くわ)に関しては、以下のページでまとめています。

桑(くわ)

桑(くわ)桑を確認

御蔵桑(みくらぐわ)

御蔵桑(みくらぐわ)御蔵桑を確認

小笠原桑(おがさわらくわ)

小笠原桑(おがさわらくわ)小笠原桑を確認

御蔵桑(みくらぐわ)のご紹介は以上です。続いてメキシカンローズウッドをご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

木族の会(樹種辞典)