植物学上はダルベキア・ラティフォリア・マメ科の樹木で、シッソー・チッソーと呼ばれ、シッソー・紫檀とも呼ばれます。世界にはマメ科に属したローズウッド・ダルベキア属は250種類を数へ、現在有名なブラジリアン・ローズを筆頭に約15~20種がローズウッドと呼ばれています。アジア圏では、紫檀・縞紫檀・インドローズと共に、シーシャム・ローズが挙げられます。この材は、日本に早くから輸入されていたインドローズの影に隠れて評価が低かったのも事実です。この材は、産出国では古くから建築・内装材等に良く利用され、馴染み材として知られています。
シーシャム・ローズウッド
日本への輸出量が無く、また欧米にも輸出されて来なかった材なので、知名度が無かったのも当然です。現在備積量も少なく、またかつての様に大径材が少ないと言います。2017年に国際動植物保護連合(サイテス)で、南米産のアマゾンローズウッドと共に規制対象樹木となりました。(備考:サイテスLC(低危険種)・Ⅲ類認定)
シーシャムの名の言われ
現地ヒンディー語で秀れていて硬く耐久性の有る木材の意味です。現在、シーシャム・ローズウッドの名は、欧米での商業名として認知されています。
樹木の分布
バングラディッシュ・インド・パキスタン・ネパールを中心に、西アジアの1部にも分布しています。土地によって大小様々なサイズが在りますが、高樹齢木は高さ15~30m・径40~60cmが平均で、かつては太い1m近い材もあったと言われています。インド・パキスタンの内陸部全域に生育していた樹木でしたが、人口の増加や都市開発に伴い、大径材は姿を消し、現在ヒマラヤ山脈の標高800m~1500m近くの渓谷地の岩石の多い川の谷間に沿って純林を形成していると言います。現在両国はインドローズと共に植林事業を盛んに実施しています。
材の特色
木の太さの大小により、材の色彩が異なります。高樹齢の材などは、黒柿の網目や霞(カスミ)杢に近い杢目を有していて、地理的な気候(風害)による細く”ひねた”木も多く、直材の丸太は少ないと聞きます。一般的に材質は硬く堅牢で、ローズウッドなので重く仕上がり面は、光沢が有り、チジミの入った材もあります。
材の利用
高樹齢の材は白、またはクリーム色で白太(辺材)から渦を巻いた様な揉まれた杢目があります。茶褐色、赤褐色の赤身部分にチヂミ杢が有り、また黒色系の縞模様や黒柿の孔雀杢に近い杢目も見られます。ローズウッドですが、香りはありません。現在面白い杢目は、楽器のベース材・指板材にも使われ、細かい加工品(ペン製作)・ステッキ材として人気があります。
シーシャムローズウッドのご紹介は以上です。続いてシャム柿その1をご紹介いたします。
木族の会(樹種辞典)
ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。
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