栓(せん)

写真①

ウコギ科の落葉高木樹高25メートル×径1メートル近い大径材の出材の記録もあります。分布は日本全土、朝鮮半島、樺太、南千島列島、ロシア沿岸州、ウスリー地域まで分布しています。本州でも標高や地味により、良材が出材される事もありますが、最大の備蓄を誇るのは、北海道日高・十勝地方です。この材とよく木質が似るのは、タモ、塩地(しおじ)材です。塩地材は、中部以西の西日本のみに育成しています。

栓について

利用用途

杢目がある材は、戦前から銘木床柱、床ノ間材。小さな物で、うるし下地椀類、食器など広く使われています。現代の北海道家具の代名詞栓の家具類ドア材の多くが作られています。昭和32年に地元に合板・集成材工場が起工されました。この事でアメリカ・ドイツ等の国が栓の木目、柾目の美しさに魅了された事で、当時材の持つ明るさがメイン材であったオーク、ナラ材にない色彩を持つ(中庸(ちゅうよう)な色彩、当時アメリカを中心にコンテンポラリー様式、現代に通じ得る家具類)材が好まれたのが起因です。昭和40年をピークに現在も栓合板板材が輸出されています。あまり日本人に知られていない事実です。

文化的には栓は葉が大きく、伝説天狗の羽団扇(うちわ)に似ている為、厄払いとして、静岡県伊豆半島南部地域では、端午の節句(だんごのせっく)に笹ノ葉代わりに栓の葉で粽(ちまき)を包む伝統が残ります。栓材は以下の二つに分けられます。

  • 糠栓(ぬかせん:糠のような細かい木味、良材)
  • 鬼栓(おにせん:荒目でも杢目、柾目が硬質な材)

グレーデング(樹分け)は難しく、栓の柾目盤(フリッチ)は、二つの中庸(ちゅうよう)材が特にヨーロッパで人気があり、ホワイトアッシュ材を凌駕(りょうが)するまでに材の地位が上がっています。

ステッキ

材としては申し分がありません。色付けもよく乗りますし、日本材としてはAランクと思います。重量も無く突いた時の反発力も有り、堅牢(けんろう)です。ただし、材の選択が難しいです。若木はダメで、高樹齢木は良いかといえば、木が老齢化し過ぎると材の導管内に黄茶の物質が入り、材に強度が無くなります。杢目で言うと1m50cm×3cm丸に杢を乗せようとすると、写真④では杢目が大きすぎます。②③の写真のような杢目立ちが一番です。

栓(せん)

写真②

栓(せん)

写真③④

写真①は良材より、大曲りステッキに仕立てた材、端は木地なので、漆を施した方が品が有り、杢も引き立ちます。スネークウッドを代表する虎目と比較して見て下さい。日本にはまだまだ外国人が見ても素晴らしい良材が眠っています。

よくある質問と回答

Q:栓(せん)にまつわるエピソードはありませんか?

A:栓(せん)の材に失礼かと思い書きませんでしたが、栓は狂いも少ない良材なので、明治、大正、昭和まで、食器棚や叶器類(旅館など)数多く必要な器材に、欅(ケヤキ)材の代用として早くから使われて来ました。その代表が卓袱台(ちゃぶだい)です。今でも使われていて、私の小さい頃は、食事といえば折りたたみ式円卓での食事でした。父親は一番風呂に入っている間、家族と共に正座をして待ちます。父親のある意味威厳の場でもあり、気にいらない事があると、この卓袱台をひっくり返します。家族は馴れてくると食器を持って逃げます。こんなシーンは、テレビドラマ寺内貫太郎一家として最近まで記憶に残るシーンでもあります。この事から国と国との約束を違える事を”チャブダイ返し”として、他国でも使われる言葉になりました(笑)。ターン・ザ・テイブル・アップ・サイド・ダウン、テーブルをひっくり返し、めちゃくちゃにする事の意味です。卓袱台(ちゃぶだい)返しも、国際的ワードになりました。

栓(せん)のご紹介は以上です。続いてソト(ケプラチョソト)をご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

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ステッキ専門店【ラカッポ】について

ラカッポは、おしゃれなステッキ製作を手がけ国内外のお客様からご好評を得ている東京新木場のステッキ専門店です。(有)東京数寄屋倶楽部によってプロデュースされています。ステッキのあらゆるオリジナルデザイン、意匠(銀細工・象牙彫刻・宝飾)に到るまでオーダーメイドによる製作を承ります。アンティークステッキ、思い出のステッキの手直しについても修理を承っております。

会社概要

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コンセプト

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購入前の知識

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