紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)は、マメ科の植物で、鉄刀木(タガヤサン)よりも径は太い材があります。樹高25メートル・直径70センチメートルに達する中高木で、タイ西部の隣国、ミャンマー西部のペグー山脈・アラカン山脈のペグマヨ・テナッセルム地方の混生落葉樹林の中に分布生育しています。材の色彩は、辺材(白太)心材共、製作時は黄灰色から空気に触れると、急速に紫色を帯びた全体に深い紫色に変化し、その後黒・紫褐色に経年変化します。

紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)について

紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)によく似た材に西アフリカの”ウエンジ”と東アフリカの”パンガ・パンガ”があります。この二種は、マメ科の紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)とは異なり、ナツフジ科の木材で、色彩も良く、非常に似ていますが、まったくの別物です。ヨーロッパで製作されたステッキの中には、この材を使ったケースが多いと聞いています。アジアの紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)は、その名の通り深い味わいのある色彩で、この中では群を抜いている存在です。

紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)の貴重性

本鉄刀木(タガヤサン)と違い広範囲に生育せず、タイ・ミャンマーの2国しか産出されません。同国の中でもタイ名(カピー・カイカオ)、ミャンマー名(インダイク)も同種として扱われ、同名紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)として、古来より日本に入ってきています。

用途

装飾用材・高級家具、キャビネット、建築内装化粧材、指物、細工物(寄木、象嵌)等、広く利用されます。

欠点なく”日本の紫芋”を連想する濃く深い紫色の肌目をした紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)

欠点なく”日本の紫芋”を連想する濃く深い紫色の肌目をした紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)

写真を拡大して見て下さい。欠点なく”日本の紫芋”を連想する濃く深い紫色の肌目の素材です。魅力有る色彩です。

径60センチメートル内外の原木を製材した紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)の板材

径60センチメートル内外の原木を製材した紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)の板材

径60センチメートル内外の原木を製材した板材です。ステッキを取るには、巾が広く柾目の木取りでは、現れる杢目が面白くありません。材中に石灰の白い部分が混ざる事がありますと、ステッキ・板材として価値がありません。

ステッキとしての紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)

ステッキ用材として製材された無欠点の紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)材・ステッキの王道大曲り・中曲り製品

ステッキ用材として製材された無欠点の紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)材・ステッキの王道大曲り・中曲り製品

写真は、ステッキ用材として製材された無欠点の紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)材・ステッキの王道大曲り・中曲り製品です。セパレートタイプのステッキは御婦人にも人気があります。

この材は、鉄刀木(タガヤサン)同様、タテ筋目が多く、丸く削り上げた後、下処理としてNo600~1000番のサンドペーパー、水ペーパー掛けが必要です。下処理を上手に処理しておくと、塗装仕上げ後は、見違える程光沢が有り、しかも耐久性があります。何と言ってもその紫色の色彩から、セパレートタイプについては、婦人用ステッキとして特に人気があります。

よくある質問と回答

Q:どうして石灰が混ざるのですか?

A:これはウエゲナーの大陸移動説の話しになります。昔パンゲアという大陸が1つ地球に有り、その後マントル海流により、現在の陸地(5大陸)が出来上がったとされています。今日この説は科学的に証明されており、南極から別れた陸地、現在のインドがユーラシア大陸にぶつかりヒマラヤ山脈が形成されました。インドネシア北部、タイ、ミャンマー、ラオス、インドの1部アッサムもこの時、海底の石灰質のサンゴや貝の死骸を巻き込み、地殻変動を起こした為、この地域の樹木、インドローズウッドも含めて石灰の筋が多く出る材、地域があります。

タイでは、紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)をキレット・キーレックと呼びます

タイでは、紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)をキレット・キーレックと呼びます

タイでは、紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)をキレット・キーレックと呼びます。紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)は、径は太いのですが、本鉄刀木(タガヤサン)に比べ材の備蓄量は少なく、今後ますますアジアの貴重な材となっていく樹木の一つです。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

木族の会(樹種辞典)