カマティロ(カマティージョ)の植物学上の名前は、ダルベルジア・コンゲスティフロタです。別名メキシカン・キングウッド、メキシカン・ローズウッドとも呼ばれます。産地は、メキシコ南部・南西部を中心にグアテマラ地域です。樹高6~15m・径15cm~26cm内外の小径木で、かつては30~40cm近い材もあったと聞きます。材面は、ブラジル産キングウッド(ダルベルシア・セアレンシス)に非常に酷似していて、キングウッドは虹色の縞目が強調された材ですが、カマティロは、濃い紫色一色の感があります。製材時には濃い紫色、日が経つと淡い上品な紫色に変化します。例えるなら江戸紫~京紫と言えます。香りはキングウッドより、かすかなバラの芳香があります。また小径木なので、杢目(上杢)は望めません。柾目の上品さが勝負と言えます。
カマティロ(カマティージョ)について
カマティロは、材として日本で初めて見たのは、昭和50年代です。当時東京(株)北三がメキシコ支店より、輸入して柱メーカーが心持の床柱にしました。名前はその紫色から”パープル”と呼んでいました。同じマメ科のパープルハート・パープルウッド(モラド)とパープルの名を付けていますが、本材とは異なります。製材時や切削時の挽粉にアルコールを染み込ませた白い布を付けると、強烈な紫色に発色します。他のローズウッド系の材も大なり小なり紫色に染まりますが、この材は特別です。
現在、原材料の丸太はほとんど入荷が無く、輸入されても少量です。また径が細い為、杢目取りは難しいです。キングウッドと同様に、高級家具の前板や寄せ木、小物美術品(宝石箱・象嵌材)、チェス駒などに使われています。現代では什器類(ターニング材)・楽器(ギター・ベース材・指板)・ナイフ・スケール・ビリヤードのキュー・ペン製作等に利用されています。
材の将来
カマティロは、国際動植保護連盟(サイテス)でEN絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約ではⅡ類に分類されています。古くからキングウッドを利用して来た材と最近話題になった木材のタイム・スリップは有りますが、どちらも備積量が無く、先々貴重な樹木となるのは必然です。
カマティロ・カマテージョその2のご紹介は以上です。続いて榧(カヤ)をご紹介いたします。
木族の会(樹種辞典)
ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。
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