埋れ木(うもれぎ)の言葉は古く、既に万葉集の中に使われています。埋れ木は、川底に埋まったままの姿をかえり見られない自身の心の中の心情、境遇を写す、掛け言葉、枕句として歌に詠まれました。江戸時代仙台藩主が宮中に献納した名取川の埋れ木(おそらく亜炭材)が香合(香片木を入れる物)として下賜され銘を「名取河」とした事も有名です。また茶道において、小堀遠州流では、技炭を埋れ木に焼いた時に出る灰を化粧塗り材とし、また香炉灰も埋れ木の焼灰を使います。
埋れ木(うもれぎ)について
分類
皆さんは埋れ木と言うと、木の化石と考えがちですが、少し頭の中を整理する必要があります。地球的年代の古い順に整理すると以下のようになります。
埋れ木は、木の化石に一番近いと考えられています。
日本の1級河川の下流域に埋れ木が多く出土されていて、特に曲がりくねった川筋や川底、かつて川が流れていたところの跡地などの開発地からも出土する事が多く、たまに水田改良地からも発見されます。
北海道石狩川、東北では北上川、宮城の名取川、阿武隈川などが有名です。歴史古く起工されたダム底からも出土したりもします。
埋れ木は、一見すると神代と見間違う程の良品もありますが、多くは埋まっていた期間年代の浅さの理由で、材色彩の完熟度が低く、良材は古くから少ないと言われています。
神代物は3000年から1~2万年前の物が一番材が良いといわれています。極端に古くても若くても神代、埋れ木は、材の完熟度が無いと言います。
過去山形へ行った際、最上川の船下りを経験しました。古老によると上流までダムが無い河川ですが、川底が大きな岩盤状にあり、上下流の流れ方が違い、底流が早いため、埋れ木が無いと言われました。川でも条件が難しいですね。
珪化木は、庭の景石(けいせき)に扱われ、蹲い(つくばい)の中石や雨樋下の水受け石などさりげなく使うと、庭全体が引き立ちます。石の出土時の姿形・色をうまく置石にすると風情があります。
珪化木で有名なのは、京都北村美術館内、北村自邸の長い渡り廊下に置かれている高さ40センチメートル程のアララギ、一位の赤い珪化木が特に有名です。
北村氏は奈良の林業家で有名な北村林業、北村又左衛門の親歳筋です。この方の山から出材される吉野杉丸太の木口になされている、”北又”の刻印が有名です。
ステッキ
神代、埋れ木はセパレートタイプの支柱、棒は製作可能ですが、大曲りは折れて残念ながら失敗続きの結果です。埋もれた年代の確かさ適度の材の熟成度を持った良材なら大曲りが可能と思うので出来る材との巡り会いを楽しみにしています。
埋れ木(うもれぎ)のご紹介は以上です。続いて小笠原桑(おがさわらくわ)をご紹介いたします。
木族の会(樹種辞典)
ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。
ステッキ専門店【ラカッポ】について
ラカッポは、おしゃれなステッキ製作を手がけ国内外のお客様からご好評を得ている東京新木場のステッキ専門店です。株式会社山安によってプロデュースされています。ステッキのあらゆるオリジナルデザイン、意匠(銀細工・象牙彫刻・宝飾)に到るまでオーダーメイドによる製作を承ります。アンティークステッキ、思い出のステッキの手直しについても修理を承っております。
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ステッキ専門店ラカッポは、お客様のご要望をお伺いさせていただきながらフルオーダーメイドでステッキを製作、販売させていただいております。ご来店の際は、事前にご来店予約をお願いいたします。また、ご不明な点などございましたらお気軽にお問合せくださいませ。みなさまのご利用、お待ちしておます。