”ラリック展” 渾身のステッキ1本

ラリック展

ラリック展

3月17日毎日新聞社の催しとして、フランスを代表するガラス工芸家、ルネ・ラリックが生み出した珠玉の芸術展が東京練馬区立美術館で開催されています。

ラリック展

きっかけはステッキ

知り合いから展示品の中に1本金細工ステッキが出品されていて、ステッキ棒が何の木材なのかわからないと出品学芸員の方が尋ねていると言われ、象牙根付師の山鹿氏と私二人で見に行ってきました。

スカラベのステッキ

展示品はどれも素晴らしく美術ガラス工芸品1F・2Fと展示されていてデザインの捉え方など大変勉強になりました。中にはジャポニズムを感じる作品もありました。

さてステッキですが、ステッキのヘッド部分に金細工のスカラベが彫り込まれて”黄金虫”にふさわしい色でした。ガラス越しにしか残念ながら見ることはできませんが、特徴ある縞模様、色彩から南米産のスネークウッドとわかりました。傷もなく良品のステッキです。

”ラリック展”渾身のステッキ

”ラリック展”渾身のステッキ

”ラリック展”渾身のステッキ

”ラリック展”渾身のステッキ

復活・創造神の虫

スカラベというと”ふん転がし虫”と言われてその姿に愛嬌すら感じます。まるい玉を転がす姿に古代エジプトでは玉を太陽に見立て、宇宙の輪廻死生観と捉え、復活、創造神として崇められた虫で、時代が下り古代ギリシア・ローマに身を護る護符として指輪をはじめ多くの装飾品にも使われた絵柄です。

ヨーロッパにもこの考えが引き継がれたわけです。

スネークウッド

当時王侯貴族に彫柄が人気あったのもうなづけます。この作品のステッキは”握り玉(にぎりだま)”タイプと呼ばれ、持っても突いても、使い勝手よく今でも人気注文があります。

使われた木材はスネークウッド南米ギアナ・ブラジルから産出し16~17世紀の大航海時代から植民地産物としてブラジリアンローズウッドとともに内装材・家具・ステッキ等に使われている材です。

材名を学芸員の方に説明し帰途につきました。

このリラック展は4月21日(日)まで開催されていますので、ぜひ一度ご覧になると良いと思います。