”上野の森”東京都美術館に足を運ぶ
2019年3月21日春分の日、春風が強く吹く中桜の開花が宣言されたばかり。花見の客が少ないと思い上野公園内東京都美術館に足を運びました。
江戸絵画ミラクルワールド「奇想の系譜展」
春分の日とあって、空いているどころか人、人です。入場券を買うまで人並び、入館して展示品を鑑賞するのもベルトコンベア状態。当日は気温も上がり21度を超え汗ばむ四月上旬並み、「何かステッキの題材を」と思って出かけた次第です。
雪山童子図
曽我蕭白(そが・しょうはく)の獅子虎図屏風の中の虎の表情はピカイチです。
コマーシャル表紙の「雪山童子図」(せっせんどうじず)は圧巻です。
絵の構図、色の使い方と相まって奇怪画です。
禅僧の白隠慧鶴(はくいんえかく)の達磨図は目力(めぢから)が最大に活かされた墨絵でした。
茶掛けの題材でもよく出てくる大橙国師乞食の業(だいとうこくしこつじきのぎょう)は鬼気迫るものがあります。他に鈴木其一、歌川国芳画などの作品も見応えがありました。
江戸時代のアバンギャルド
桃山時代から世に馴れて親しんだ画題とは一線を引いた全く違う角度のとらえ方を個性を前面に出した作品群です。
各人根に流れる精神は権力への反骨反発、それに宗教観、価値観が入り乱れた状態で安定期の江戸においてアバンギャルドの人々がいたことに感嘆しました。
ステッキデザインに取り込む画題は少なかったですが、物のデザインの捉え方として大変勉強になりました。
帰り淺草に寄っていつも立ち寄る店(伝法院通り、通称ホッピー通り)でカタログを見ながら黒ホッピーをあおり帰路につきました。
この催し展示は4月7日までですので、お早めに行かれたら良いと思います。