欠点の無いアララギ材

写真①:欠点の無いアララギ材

日本に産する一位(イチイ)材は、北は北海道から本州・四国、南は九州(九州の南限は鹿児島県)、大隅半島、中央部、高隅山地と昔より言われています。世界に目を向けますと、朝鮮半島北部・中国北部からシベリアの寒冷地、東ヨーロッパ・北欧・ロシア(コーカサス・ウラル)・北米・カナダと世界ではイチイ科の仲間が9種に及びます。日本での呼び名も東北から北海道では、”オンコ”と呼び、関東から西日本、九州では、”イチイ”と呼ばれます。日本では樹高15m~20m・直径50cm~60cmが平均で、70cmを超える物はめずらしいとされます。

一位(イチイ)・アララギについて

欠点の無いアララギ材

写真②:欠点の無いアララギ材

材の用途としては、建築内装材、銘木床ノ間(柱・框・落掛)にも使われ、茶室、国宝如庵(名古屋犬山)の床柱に名栗(なぐり)を施したアララギの柱が有名です。細工物・挽物・指物・象嵌材に使われ、民芸的な各地根付、一位細工があります。古くは
仁徳天皇がこの材を用いて芴(しゃく)を作らせ、正一位の位を授けたと言われ今でも神主の持つ芴(しゃく)は岐阜県大野郡の位山(くらいやま)の材を取材すると言います。

ステッキとしての一位(イチイ)・アララギ

ハブシ1つ有ってもステッキには向きません。

写真③:ハブシ1つ有ってもステッキには向きません。

アララギ材は永遠・長寿の意味があり、縁起が良い材ですが、寒冷地に多く生育している為、幹廻りに帯状(カボチャの外皮筋目)が多く、枝跡や葉節も多く、直材の無傷・無欠点材は取材するのに難易度の高い樹木の1つです。粘りは有るのですが、大曲りステッキには向かず、セパレートタイプのシャフトには向いています。枝部分の芯持ち材は、大曲り加工が可能です。

イチイ材と弓の物語り

日本の弓は縄文の昔から丸木弓(まるき・ゆみ)1本の小枝材より造り上げる弓です。本土では梓(あずさ)・水目桜・マユミ・桑・ケヤキなどが用いられ、平安時代から今日見る竹の複合弓が主流(和弓)となりました。北方アイヌ民族の文化では、地産のイチイ材(ラニマニ)を用いイチイは神が宿る神聖な木と言われた為です。世界に目を向けると、イングランドや北欧バイキングの弓材は長弓(ロング・ボー)は有名です。弓の原型がユーラシア大陸の東と西で弓の材料が同じ事に不思議を感じます。

【※注意】業界では北海道のアイヌがイチイ材の事を”オンコ”と呼ぶと言われますが、東北等の方言の一部で使われていた言葉だそうです。

イチイ材に入る葉節「ハブシ」

写真④:イチイ材に入る葉節「ハブシ」

ステッキ材になる無欠点(入皮・葉節「ハブシ」)材を得るのは難しいです。

市場の土場に並んだイチイ(アララギ)の出品丸太

写真⑤:市場の土場に並んだイチイ(アララギ)の出品丸太

市場の土場に並んだイチイ(アララギ)の出品丸太

写真⑥:市場の土場に並んだイチイ(アララギ)の出品丸太

イチイの特徴である外皮は、カボチャの外皮に似て入皮が芯材まで入っていたり、写真の様に寒冷地育ちなので胴割・目廻り材も多いです。

一位(イチイ)・アララギのご紹介は以上です。続いてインドローズウッドをご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキ専門店【ラカッポ】について

ラカッポは、おしゃれなステッキ製作を手がけ国内外のお客様からご好評を得ている東京新木場のステッキ専門店です。(有)東京数寄屋倶楽部によってプロデュースされています。ステッキのあらゆるオリジナルデザイン、意匠(銀細工・象牙彫刻・宝飾)に到るまでオーダーメイドによる製作を承ります。アンティークステッキ、思い出のステッキの手直しについても修理を承っております。

会社概要

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コンセプト

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