柳(やなぎ)

柳(やなぎ)

柳(やなぎ)は、ヤナギ属・ヤナギ科の樹木の総称で、世界には約350種有り、日本ではシダレヤナギを代表とします。日本でも種類は雪柳・猫柳・雲龍柳・赤目柳・蛇柳が有り、樹高10~15m、直径30~50cmが平均ですが、稀に1mを越す巨木も有り、大径材のバッコウヤナギから、裁縫裁板・カウンター材などを取材し、オオバヤナギでは、下駄やマッチの軸などを製品にしました。俎(まないた)は、ユキヤナギの大径材から得られる物は、桧の俎板以上にランクする料理人が居る程です。

柳(やなぎ)コブについて

アカメヤナギのコブ材

写真①アカメヤナギのコブ材

柳の枝株を使った”餅花飾り”

写真②柳の枝株を使った”餅花飾り”

柳の枝株を使った”餅花飾り”

写真③柳の枝株を使った”餅花飾り”

写真①は、アカメヤナギのコブ材です。栃木県今市市を流れる大矢川(だいやがわ)の川岸に生えていた柳で、なぜコブが発生したのか?は、この地方独特の風習にあります。

栃木・群馬県に掛けて、江戸時代より養蚕業が盛んで、正月・旧正月になると、この柳の小枝に紅白の繭玉(まゆだま)を付けて飾る風習があります。昔商店街でぶら下げられた赤白のピンポン玉飾りです。地方によっては、柳の枝に突いた餅に、食紅を色付けし、紅・白餅花を飾りました。

写真②③は、柳の枝株を使った”餅花飾り”です。

何世代にも渡り枝を取る為に刈り続けられたので、柳の根元にコブが出来たと言う訳です。

柳にまつわる木のお話し

その1

ヨーロッパでは、ハシバミ・カバの木と共に柳は精霊が宿ると言い魔術的な要素が有り、幸運(赤ん坊・老人の病魔)を癒すと言われています。日本でもアイヌ文化の中に柳で作った箸(はし)を神々に捧げる供物に添えたり、神道においては、柳箱(やなぎばこ:柳の小枝を生糸で編んだ箱)が皇式や神社で今でも使われています。世界のどこかで、神々と継っているのかもしれません。そう言えば箸は、桧・杉箸より柳は格式が上です。柳は楊枝(ようじ)や現代の歯ブラシに当たり、江戸時代、房楊枝(ふさようじ)として使われてきました。話しは脱線しますが、池波正太郎原作、仕掛人藤枝梅安とコンビを組む浅草塩入土手に住む彦次郎は、”卯の木屋”と言う楊枝店の房楊枝を作る職人の設定です。

その2

柳は茶道の正月の床ノ間飾りにも使われます。青竹筒に”結び柳”です。青竹は”松竹梅”としてめでたさや材の持つみずみずしさ・清々しさが持ち味です。竹筒に柳の枝で輪を造り、生け込むのが”結び柳”です。愛する人や旅人に柳の小枝を丸く結んだ物を手渡したと言う中国の故事風習に因んだ物で、再会の約束を意味します。この床飾りは茶会その日、1日だけの御馳走です。別れを惜しむ心持ちと燃え尽きてしまう清新さの心情を加えた正に一期一会、正に日本人特有の精神文化です。

柳の”結び柳”飾り

写真④柳の”結び柳”飾り

”まゆ玉”を使った柳飾り

写真⑤”まゆ玉”を使った柳飾り

ステッキとしての柳(やなぎ)

材としてはステッキには向いていません。セパレート型のハンドル使いに柳のコブの物語と一緒にお使い下さい。

ステッキのハンドル材として利用される”柳のコブ杢目”

写真⑥ステッキのハンドル材として利用される”柳のコブ杢目”

柳(やなぎ)コブのご紹介は以上です。続いてユーカリ・コブをご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキ専門店【ラカッポ】について

ラカッポは、おしゃれなステッキ製作を手がけ国内外のお客様からご好評を得ている東京新木場のステッキ専門店です。(有)東京数寄屋倶楽部によってプロデュースされています。ステッキのあらゆるオリジナルデザイン、意匠(銀細工・象牙彫刻・宝飾)に到るまでオーダーメイドによる製作を承ります。アンティークステッキ、思い出のステッキの手直しについても修理を承っております。

会社概要

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コンセプト

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購入前の知識

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商品情報

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