オリーブウッドについて
オリーブは、モクセイ科に属する木で樹高10m、栽培種では径25cm~40cm。古い木では、幹回り1m以上に達します。地中海沿岸諸国・島々には、樹齢1,000年近くの巨樹が今でも数多く残っています。古くより果実(オリーブ実)・オリーブオイルなど食用として用いられた長い歴史を有します。日本でも明治41年より、小豆島等、瀬戸内海の気候を利用し栽培されています。世界の巨樹類の中に”千年オリーブ”として紹介されています。イタリア(サルデーニア島)、スペイン(イビザ島)、シチリア島等に樹齢1,000年以上、中には樹齢2,500年を数えるオリーブが現存しています。かつて、オリーブの根コブを輪切りにした材を扱った事があり、直径1mを越した材で、現存するオリーブの巨樹の写真を見ると妙に納得します。根廻り材を削るとオリーブ油の芳香があります。現在は栽培種のオリーブから得た材が民芸品(家具・彫刻品・器類)と共に、板材として日本に輸入されています。オリーブとしては、南ヨーロッパ・地中海オリーブと呼んでいます。
写真②の地中海オリーブの板材の杢目を拡大した写真をご覧いただきます通り、材面には油分が残り美しく、淡い縞(褐色)がマーブル状に織り成し、上品な色彩が特徴です。
流通しているもう1種のオリーブ?
写真はありませんが、アフリカ中央・東部(ケニア・タンザニア・ウガンダ等)より産出されるオリーブで、アフリカン・オリーブ(ワイルド・オリーブ)とも言われる材があります。材の違いは地中海オリーブより大木で、多くの板材が採材出来、濃い灰色・黒色系の杢目をしています。”実”は地中海と同じオイルを取ります。
ステッキ材としてのオリーブ
淡い茶褐色の縞が美しい材ですが、大曲りステッキを作る際、大きな熱と蒸気を加えるので、曲げ部分に黒い熱跡が残る為、端正な杢目が損なわれる為、セパレート形のシャフトかハンドル材のみの利用をお奨めします。
よくある質問と回答
A:
- 古代の船材は、ローマ・ギリシャのガレー船・貿易船は、船材としてレバノン杉(シダー)・シルバーファー等が多く用いられキプロスでは、土地の松が使われました。船板材の接合部分に使用する”木ネジ”・”ほぞ穴”を埋めるのに、材の弾力性の有るオリーブが使われたと記されています。
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ギリシャ神話の中に女神アテナと海神ポセイドンによるアテネの町の守護神争いが有り、割って入った神々の王ゼウスが、二人の神よりアテネ市民に贈物をさせ、市民の人々がどちらの神に軍配を挙げるか賭けをしたそうです。ポセイドンは、アクロポリスの丘に待っていた三又(みまた)の槍を突きさしたが、清水では無く海水塩水が湧き出してしまい、アテナはオリーブの木を其処此処に植えました。
やがてオリーブは成長し、市民に休む木陰を作り、その樹から果実とオリーブオイルが取れ、市民からその恩恵を感謝されたと言います。現在のギリシャの首都アテネは、この逸話からアテナに因んだ名が現代に語り継がれています。
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古代ギリシャのオリンピックでは、競技の優勝者にオリーブの葉で編んだ冠が授けられました(アレ?月桂樹では?)。オリーブと月桂樹共に、ギリシャ神話に登場し葉もオリーブと良く似ていて、同じ地中海産です。いつの時代か、月桂樹の葉に置き換わったと言われています。
第28回オリンピック(2004年)のアテネ大会では、ギリシャのクレタ島のアノヴーヴエスの樹齢3,000年を誇るオリーブから枝を切り、マラソン優勝者に与えられたそうです。オリーブは神話の世界でも平和繁栄の象徴です。
オリーブウッドのご紹介は以上です。続いて楓(かえで)・メープル・イタヤカエデをご紹介いたします。
木族の会(樹種辞典)
ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。
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ラカッポは、おしゃれなステッキ製作を手がけ国内外のお客様からご好評を得ている東京新木場のステッキ専門店です。株式会社山安によってプロデュースされています。ステッキのあらゆるオリジナルデザイン、意匠(銀細工・象牙彫刻・宝飾)に到るまでオーダーメイドによる製作を承ります。アンティークステッキ、思い出のステッキの手直しについても修理を承っております。
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