このハマビシカの材は、中・南米アメリカ、メキシコ・グアテマラ、ホンジュラス、パナマ、コロンビア、ベネズエラ、ガイヤマ、西インド諸島(バハマ諸島)に広く分布していて、主に海岸地域に生育しています。リグナムバイタは米国の商業名です。材は、各国呼び名が異なります。ヨーロッパでは、グアヤカンウッドが通名。キューバでは、ピエトロパロサントとも呼ばれ、日本では癒瘡木(ゆうそうぼく)とも呼ばれていました。

リグナムバイタについて

日本への輸入

日本には、明治39年にアメリカよりオレゴン松と共に輸入された記録があります。日本では、明治からの蒸気汽船の発達に伴い、海軍軍艦・渡船・運送船のスクリュープロペラの軸受け材として、材自身が持つ樹脂分と合わせ、高回転の磨耗熱に強く、この事が需要を増大させたといいます。

現在、東京駅八重洲口駅前にあるヤンマーディーゼルビル内で、レジャーボートの軸材としてリグナムバイタが売られています。

リグナムバイタ材とパロサント材

リグナムバイタ材とパロサント材

  • ①は深い緑色したリグナムバイタ材
  • ②はハマビシ科のパロサント材

見た目では、プロでも見誤る材で、素人では判断できません。

リグナムバイタ材は、樹高10メートル、径10センチメートルから、大きくて30センチメートルです。材は何ヶ所か切断され、日本に輸入されてきます。日本では、このヒスイ色が好まれ、戦前から仏具の一部に使われていましたが、今日、彫刻仏壇、彫物杖など、緑檀(りょくたん・新語)などと称し、数珠に至るまで使われるようになったのは最近の話しです。

ステッキとしてのリグナムバイタ

大曲りステッキが作られても、重量があり、持ち歩くには疲労してしまいます。色はヒスイ色で綺麗なのですが、塗装により色落ちがあり、彫刻材に向いた材です。また特殊な杢目、珍しい杢目がある材種ではありませんので、ラカッポでは創作意欲が材には失礼と思いますが湧きません。

リグナムバイタ材とパロサント材

リグナムバイタ材とパロサント材

①②は材種が違いますが、①のリグナムバイタを削り付けしても色に大きな差は見られません。

②のパロサント材は、最初はリグナムバイタとそっくりですが、切削後色が茶褐色に変化し、木地使いでは、元の色に戻るのに多くの時間を要します。

よくある質問と回答

Q:リグナムバイタで何かエピソードがありますか?

A:アメリカではいち早くこの材を輸入しており、クラウン・グリーンボールゲームの何と球に用いていた期間があったそうです。緑の球(みどりのたま)驚きですね!!

Q:この材で他にエピソードがありますか?

A:この材は15世紀、ヨーロッパを中心に約200年間、難病の特効薬として医者が紹介したのが始まりで、永らく人々に信じられ、材より得られる樹脂(蒸留水エキス)が高価で取り引きされていたと言います。この事が有り、リグナムバイタ=聖なる木、不死、万病の薬と迷信化され、今日でもこの部分だけが一人歩きしています。アメリカでは、この材を「ウッド・オブ・ライフ=生命の木」と訳されています。

リグナムバイタのご紹介は以上です。続いてレモンの木をご紹介いたします。

木族の会(樹種辞典)

ステッキの材料となる様々な貴重な樹種についてご説明いたします。

木族の会(樹種辞典)