エビスさん、大黒さんと言われ、日本で一番馴れ親しまれる神様です。共に商売繁盛、開運紹福、五穀豊稜など、共通の御利益があると言われます。写真①のように並べられ祀る(まつる)のは、すでに室町時代に定着したと言われています。

大黒型ステッキ

皆様御存知の恵比寿、大黒ですが、右の大黒さんが冠る頭布の形に注視して下さい。ステッキシャフトの頭部分(握り玉タイプ)をこの頭布に見立て、総称としてステッキ業界では昔から大黒タイプと呼びます。

大黒型ステッキの歴史

ヨーロッパ

このタイプのステッキは、ルイ王朝の時代、スペイン、フランス、ドイツを中心に王侯貴族が好んだタイプで、見た目も軽快で、持つだけでもお洒落感が伝わり、漂うタイプのステッキです。現在も御婦人にも人気があるタイプです。また16世紀に流行したタイプですが、約400年という時空を越え、現代でもデザインは立派に通じるお洒落の原点と言えます。

恵比寿と大黒

写真①

大黒の頭

写真②

写真①:祀る(まつる)置き位置:左に恵比寿、右に大黒。これが正式と言われます。

写真②:大黒さんの頭布の形に注視

日本

明治に入り日本の国家の近代化は、洋行帰り(欧米視察団)の人々が切り開いたと言われています。明治17年頃には既に政治家を筆頭に、紳士のアクセサリー、威厳のシンボルとしてステッキが広く流行しました。既にステッキを商いとする店(東京銀座タカゲン)が大都市を含め3~4軒あったと記録にあります。

明治時代鹿鳴館の貴婦人の中で、パーティーの際にステッキを持つ御婦人が現れたと記録写真にあります。このように明治より、日本の文化に入ってきたステッキ文化ですが、感性の表現は、西欧より創造性も含め心豊かでこの時代より、日本的なデザインも含め逆に海外へ輸出するに至る時代を迎えます。大黒型、欧米では英訳すると味気無い”ノブ”型と表現されます。改めて感性、文化の厚みを匠に表現した言葉です。大黒(だいこく)、このステッキタイプを持つと、何だか御利益があるような気がします。

銘木加工のいろいろなデザイン

写真③:大黒型:銘木加工のいろいろなデザイン

銀、象牙、オランダ水牛をはじめ、日本の清水焼の大黒もあります。以下写真のAは水牛のバタフライ型と言われますが、形は変わっても握るには適寸で、ラカッポでは大黒型の中に入ります。

大黒型ステッキのいろいろなタイプ

写真④:大黒型ステッキのいろいろなタイプ

よくある質問と回答

Q:大黒ステッキで何かエピソードはありますか?

A:11世紀頃より、ヨーロッパでは御婦人を中心にステッキを持つ事が流行りました。握り手(ハンドル)に水晶、象牙を始め、あらゆる貴重な石材が利用され、この大黒の頭飾りの中でも特に貴石を中心にデザインされました。

その理由は、社交会で体のラインを出す為、無理なコルセットが流行したように、ステッキでも殿方の求めた物はキューっと締まった腰、手を取り挨拶時、手の甲も含めて、その掌が冷たくなければ美人の定義に入らなかった為と言われています。そこで、大黒型ステッキの頭を常に手を冷やす為、貴石が用いられたそうです。大黒ステッキ、現代的に言うと、ハンド・クーラーアイテムですね。

ステッキの種類について

ハンドルタイプ、セパレートタイプ、握り玉、大黒(だいこく)タイプ、大曲り(おおまがり)タイプの違いについて以下のページでご紹介しています。

ステッキの種類について