今では手品のように素早く折りたたむ事が出来るステッキは、今やステッキ業界を席巻する状況です。欧米では、俗に言ういも継ぎ式(分割したステッキをオス・メスネジで繋げる)です。このタイプは今も有り、19c初めには出現していたと言います。日本においては、大正時代の初めには当時、傘・杖業者が集中していた大阪地域のある業者が、日本かに昔から有る蝶番金物にフック爪を組み込み、折りたたみ式を考案したと伝えられています。凝った造りが売物でしたが、フックが摩耗に弱く、徐々に世の中から消えて行ったと聞きます。ここで紹介するのは、更に進化させ、独自のアイディアの金物を使って考案された折りたたみ式のステッキです。
大正ロマン・優雅な折りたたみ式ステッキ
考案したのは栃木県宇都宮市に工房を構える(有)飯田製作所さんです。考案した時期はさほど古く無く、昭和61年4月とお聞きしました。この時代を境に、日本人の高齢化が進み、ステッキもウォーキングステッキから、介護を主体に重きを置くアルミ・カーボン製、又海外の人件費の安さに押されて、製作を依頼したり西欧米のステッキ製品を主体に販売する業者が多く参入して来て、ある意味今日のステッキ業界の混乱期を迎える事になりました。
ラカッポでは、日本人の職人が生み出した物として、敬意を持ち大切にする考えです。”縁”があり”復古調”の折りたたみ方式を再現する運びとなりました。
写真①の「A」は、ラカッポの作品では極上品クラスの本花梨(縮緬杢)の大曲り品です。
写真①の「B」は、同クラスの材も試作品として3分割に仕上げた作品です。
現代のアルミ製の手品のごとく素早く折りたたむ事が出来るステッキを便利さを追求する方には当然不向きです。
折りたたみ式ステッキの利用シーン
例えばこんなシーンを想像してみて下さい。空港での待ち時間、新幹線・豪華列車・船旅の中で、ゆっくりとネジを締めながら1本のステッキに組み立てる姿。自身の高揚感や廻りの方の視線が心地よくなる事は請け合いです。私自身、出張の際、新幹線に乗りますが、降りる前のアナウンスを聞いてから、おもむろにステッキを組み上げる優雅な動作・気持ちの間はなんとも言えません。
ぜひご使用になり、心の余裕をお楽しみ下さい。
よくある質問と回答
A(回答):すべての材において基本的には加工が出来ますが、木地に良い杢が出るステッキ素材をお選び下さい。材の硬・軟により、ネジ入れの際の強く締まる部分が杢目の繋ぎがずれる事があります。出来上がった製品から、折りたたみ式は製作出来ません。あくまで角材からのオーダー品になります。このタイプのステッキは、飯田製作所の御意志により、”折りたたみ式の使い方”の入門品として、近々(白樫・ブナ・欅・桜等)の折りたたみ式ステッキを販売する予定です。本30,000円(税込)
教えて!!ステッキ
教えて!!ステッキでは、ステッキに関する知っておくと便利な情報についてまとめています。
ステッキ専門店【ラカッポ】について
ラカッポは、おしゃれなステッキ製作を手がけ国内外のお客様からご好評を得ている東京新木場のステッキ専門店です。株式会社山安によってプロデュースされています。ステッキのあらゆるオリジナルデザイン、意匠(銀細工・象牙彫刻・宝飾)に到るまでオーダーメイドによる製作を承ります。アンティークステッキ、思い出のステッキの手直しについても修理を承っております。
お問合せ・ご来店予約
ステッキ専門店ラカッポは、お客様のご要望をお伺いさせていただきながらフルオーダーメイドでステッキを製作、販売させていただいております。ご来店の際は、事前にご来店予約をお願いいたします。また、ご不明な点などございましたらお気軽にお問合せくださいませ。みなさまのご利用、お待ちしておます。