印(いん)に遊ぶ・額(がく)に遊ぶ
印(いん)に遊ぶ
ここに挙げているのは、すべて安価なゴム印ですが、いろいろな場面で想像以上に力を発揮します。寸志袋に押す物から、不祝儀袋に押す、花桶の印まで相手様により、良い意味で使い分けは当然です。また、のし紙に押す印や会社の時候の挨拶印も含まれます。今までいろいろな印を作りましたが、年月と共に整理され、写真の物が残った次第です。
私の好み印なので、押す時にはもちろん”氣”を入れて押しています。ゴム印を作る時の心構えは、①相手に対する感謝、②気配り、③思い入れ、④洒脱、⑤趣味と続きます。あくまで楽しくデザインをします。
写真③:ほとんど石印の遊印です。少し格上げした印もあります。今までいろいろと書家に書いて頂いた物を彫った印です。
写真④:自分の名前(元伸・もとのぶ)です。やさしい字配りとした花押です。作って頂いた後、書く練習をしましたが、今だに使いこなせずにいます。
石印の中に自分が一番好きな遊印があります。”不繋之舟(ふけいのふね)”です。モアイを解かれた船頭が居無い小舟がゆらゆら川を下って、大海に向って行く様です。誰にも繋がれない舟の意味と鶏口(けいこう)と為るも牛後(ぎゅうご)と為る無かれとの意味もあります。
額(がく)に遊ぶ
婦人には、裁縫部屋があり、主(あるじ)の部屋は書斎と自分だけの部屋を確立していた一つ昔の話ですが、今日ではさしづめ共通のパソコン部屋、多目的部屋といったところでしょうか?しかし住まいの中に、玄関や自分の好きな居心地良い空間に、遊びの額を掲げる方が多いと聞きます。生活の場の中に心の結界として自分自身の御褒美として、一枚の額を通じて家族で楽しまれる事をおすすめします。
旧山安ビル1Fにあった茶室内の額です。ステッキのTPOで語った真・行・草が書かれています。使う材料により、空間の表情が変わる事の導く額です。
- ①引首印(いんしゅいん)・官房印(かんぼういん)と呼ばれ②の額題の元となった詩句や引用した言葉関連の印です。無ければ、自分の好きな遊び印でも構いません。
- ②額題です。形式に捉われず好きな題字の方が面白いです。
- ③名号印(めいごういん)と呼ばれ、落款印(サイン)でもあります。飾りと額作品の締めの印です。最後に自分の朱印・白印の順で押されます。
字や額の事をお聞きした方は、日頃よりラカッポの指定文字を書いて頂いている方で、現在銀座四丁目すぐ近くの文具店に、印刻の仕事があれば駆けつけると言う方で、現首相、歴代首相の印も製作した方です。今女性に人気があり、遊印には定評があります。鈴木氏の遊印は、”轍鮒(てつぷ)”。意味は、車の轍(わだち)のわずかな水溜まりの中に、一匹で棲む魚の鮒(フナ)の事です。大きな事は言わず、考えず、ひたすら自分の世界を追究する姿を表しています。プロの薀蓄(うんちく)有る印、その意味は深いですね。遊印一つで人生の暮らし方が変わります。
また、一般の方が自分の部屋などの庵号を決める時、次の事を覚えておくと便利です。
庵号=居室印(きょしついん)とも呼ばれ○○亭など。最後の文字は、○○にあった語呂の良い字を選びます。その時、「堂・閣・館・楼・亭・居・苑・斎、どうかくかんろうていきょえんさい」とお経を唱えるように覚えると便利です。
- 書家:鈴木啓義(けいぎ)氏 号四川
- 電話:090-4751-3826
お気軽に電話してみて下さい。
ラカッポでは、ステッキのタイトル文字は、全て鈴木氏による書です。