一期一会・一木一杖とキャラクター

5月床ノ間飾り(端手の節句)

写真①:5月床ノ間飾り(端午の節句)

①の写真は、旧山安当社ビル内茶室に飾り付けられた5月飾り(端午の節句)です。元々家にあった元服等身大の武者鎧飾りを少しリメイクを施してあります。兜(前立)を角(つの)・むら雲・山形を入れて、村山に因んでいます。戦国時代の仕様なので、南蛮風(ペルシア)、剣を添えています。矢立囲い軍配・馬印が入り、背にツキノ輪熊の毛皮を背景に完成です。

イメージを柔らかく加えての飾り

写真②:イメージを柔らかく加えての飾り

②の写真は、ステッキショップを開店するにあたり、何かシンボリックな飾りをと思い当初旧ビルより持ち込んだ甲胃飾りでしたが、同業者、御客様(特に女性の御客様)にはあまり喜ばれず、逆に何で武者飾りなんですか?とか口の悪い人は、反社会的団体の事務所とか言われました。それでシルクハットを被せ、腰に礼装用のカマーバンド、首元に蝶ネクタイと加飾して、少しでも見た目を柔らかく映し出そうと演出を試みた訳です。ここまで開店から5年が経ってしまいました。昨年から新しいキャラクターグッズを開発中ですので、もう少しお待ちください。

武者飾りキャラクターの本当の心は、実は若い時からお茶を習い、数奇屋建築の材料・納材を永く商売としてきた事もあり、ステッキの御客様への真剣な接客の姿勢と心情を一期一会に重ねあわせ武者飾りとしました。

千利休が残した甲胃

写真③:千利休が残した甲胃

一般的には”一期一会”茶道の祖、千利休が説いたように、もう一度同じ人と茶会をするとしても、前回の茶会と今回の茶会とは違うもので、その会、その会を心込めて茶を点(た)てる意味と説きました。それが一生に一度だけの出会いや機会を大切にする意味に変わったと言う。私の一期一会の考えは、正に”死”と向き合う事で、そこまでの心情の深さ、絆にまで及びます。例えると、明日合戦で戦死するかもしれない命、戦い前の各将の心持ち、最後に一宛を通じて茶を廻し飲む心情・茶を点(た)てる者の正に渾身(こんしん)のお点前(てまえ)だったと察します。

当時の一期一会は、このような亭主と客との真剣なやりとりだと思いラカッポでは、武者飾りにした理由でした。③は千利休が残した甲胃です。今から20年くらい前に、千家の蔵で偶然発見され、当時話題になりました。着用時、利休さんは、身長175cmはあったそうで、当時としては大男の部類に入ります。

私を含めてこれを見た方は、考えが変わったと思います。十徳を着て”侘び寂び(わびさび)”を追い求めた茶の求道としての利休像。秀吉が関東小田原北条氏征伐には、おそらく着用しお供をしたのだと思います。

茶頭として各将を一期一会で歴史的有名な各戦場へ送り出していたのではないでしょうか?

戦国時代は、一番鎧・兜のデザインが発達した時代と言われます。優雅な物や美しい甲胃をいろいろ見ましたが、徳川四天王の一人、本多平八郎忠勝の甲胃が一番、一期一会にふさわしいと私は思います。代々本多家に引き継がれ現存しています。⑤の写真は④の肖像画に描かれたものにピッタリです。大きな数珠を肩掛けにし、正に”死装束”私が考えた一期一会のイメージの原点です。

肖像画

写真④:肖像画

本多忠勝の甲胃

写真⑤:本多忠勝の甲胃

惜しくも焼失し、一部再現の写真(豊臣秀吉がなんと、日本に二度来日したインド副王(使節)に下賜された二領の武具の一つ)

写真⑥:惜しくも焼失し、一部再現の写真(豊臣秀吉がなんと、日本に二度来日したインド副王(使節)に下賜された二領の武具の一つ)

将軍とステッキの話しの中に、相手を恐れさす事を目的とした軍服のお話をしましたが、⑥の写真を見てください。こんな甲胃出で立ち姿の武将1人いや、10人もいたら、相手は恐れおののくと思うばかりの甲胃です。惜しくも焼失し、一部再現の写真ですが、豊臣秀吉がなんと、日本に二度来日したインド副王(使節)に下賜された二領の武具の一つです。インド副王は、その後スペイン・フェリペ2世に献上した物が、現在マドリード王宮武器庫に保管されています。仁王式胴具足と呼ばれる形です。こんな甲胃を付けた武者が10人居たら、恐らく太刀打ちができません。恐ろしいですね。

この具足を見た時の恐ろしさは、映画ハンニバル・ライジングの中で、レクターの若きドイツ医学生時代の1描写、家に飾ってあった日本の甲胃の面頬(めんぽう)を付けた瞬間、急に別の人格が浮き出てくるシーンで感じた恐ろしさと似ています。

日本人が甲胃に懸ける(かける)思い、内面に起きる心情は、日本刀と共に世界に冠たる一番の武具です。

ステッキ専門店【ラカッポ】について

ラカッポは、おしゃれなステッキ製作を手がけ国内外のお客様からご好評を得ている東京新木場のステッキ専門店です。(有)東京数寄屋倶楽部によってプロデュースされています。ステッキのあらゆるオリジナルデザイン、意匠(銀細工・象牙彫刻・宝飾)に到るまでオーダーメイドによる製作を承ります。アンティークステッキ、思い出のステッキの手直しについても修理を承っております。

会社概要

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コンセプト

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購入前の知識

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商品情報

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ステッキ専門店ラカッポは、お客様のご要望をお伺いさせていただきながらフルオーダーメイドでステッキを製作、販売させていただいております。ご来店の際は、事前にご来店予約をお願いいたします。また、ご不明な点などございましたらお気軽にお問合せくださいませ。みなさまのご利用、お待ちしておます。